AI x ヒグマ
クマの分布、形態、生態
日本には、ヒグマ(主な生息地は約半分の地域の北海道)とツキノワグマ(主な生息地は本州と四国の山地)がいます。
平成24年度時点で北海道内のヒグマ生息数を10,600頭±6,700頭と推定しました。
北海道にのみ、エゾヒグマが生息します。
ツキノワグマは50年より以前に九州でも確認されていましたが、以降、生息は確認されていません。
雄の成獣の体長は2~2.8mで、体重は250~500kg程、一方、雌の成獣は、雄よりも一回り小さく、体長1.8~2.2mで、体重は100~300kg程です。
頭骨が大きく、肩は塊の様に盛り上がっており、がっちりとした体格が特長です。
ヒグマは、栄養状態により生じる個体差が顕著で、ツキノワグマに比べると肉食の傾向が大きく、溯上する栄養分豊富なサケやマス類を捕食できる環境にいる場合は、体が大きいと言われています。
この他、シカ、イノシシ、ネズミ等の大小哺乳類、果実等を主に食べます。
開発された地域程、ダム建設やサケ漁等の人為的な影響からサケは捕食されていないと考えられ、雑食性で、かつてはなかった農作物、畜産物を食べるようになっています。
近年では、家畜はヒグマにとって格好の獲物とされ、家畜や人的被害が増加しており、OSO18に関しては、2019年から数年に亘り、放牧された牛を捕食する事案が発生しています。
冬季には、巣穴で冬眠をしますが、冬眠しない個体もあります。
人が山中にごみを捨てたり、攻撃性をあまり示さない個体に、餌を与えたりすることで、人間の食物の味を学習し、人里に下りて来る、鉄道線路への侵入や列車との衝突事故も深刻です。
行動パターンは、熊自身が捕獲した獲物に対し、強い執着心を示すため、ヒグマによって奪われた物を取り返す行為は極めて危険で、地上の走行最高時速は48kmとも言われており、安易な行動は、返って危険を伴います。
特に、子熊を見かけた場合、近くに親熊がいます。
我が子を守るために、突進してくる可能性がありますので、子熊に不用意に近付かないようにしましょう。
ヒグマ被害マップ
近年、熊による被害が度々ニュースで取り上げられています。
熊は冬眠する前、体力を蓄えるために食べ物を求めて、人家付近に出現することがあるようです。そこで、リサコでは、全国の熊の被害状況を可視化してみました。
東北地方から北陸地方にかけて、熊被害が多く報告されています。
以下の、地図に被害件数のデータを重ね合わせた、熊の被害分布図を見てみると、東北地方から北陸地方にかけて、特に、秋田県、岩手県における被害が拡大しています。
被害の数は、実際にある被害のごく一部かも知れません。
また、実際に被害が発生していなくとも、熊の目撃情報等だけでも顕著です。
被害を防ぐためには、熊の出没状況を把握することが重要です。
現在、熊の出没状況の多くは、自治体に寄せられる目撃情報が主な様です。
しかし、このことは住民が常に危険にさらされているということに他なりません。
リサコでは、AI技術を活用して、熊の出没状況を可視化します。
熊の出没状況をモニタリングするために、AI技術の活用が有効です。
熊を自動認識する熊検知AIを山林に設置します。
その情報を自動収集してマップ化(可視化)することで、最近、町のどこで熊が出没したかを、把握することが可能になります。
まずは、熊の出没状況をしっかりと可視化し、把握することで、熊被害を事前に防ぐための方策と考えられます。
AI技術を活用することにより、熊出没状況を正しく把握し、注意を促すことで、熊被害を減らすことも期待されます。
クマを検知するAI
全国各地で、熊による被害が深刻化しています。
その被害は、増加傾向にあります。
リサコでは、2022年より、「熊を検知するAI」の開発に取り組んでいました。
以下の映像は、実際に人里離れた山奥で撮影された、熊の映像です(映像提供:竹入自動車様)。
・熊検知AIとは?
「熊検知AI」は、熊を自動的に検知します。
主には、熊の出没状況を把握する、人や熊に警笛を鳴らすことで、お互いの接触を無くすことが期待されます。
AIが熊を検知した時、画面上に「Caution」と表示されます。
画面上から熊が消えるとCautionの表示は消えますが、画面上に再び現れることで、Cautionが表示されます。
・熊の出没情報を可視化
「熊検知AI」はさまざまな実装形体が可能です。
小型カメラにAIを組み込み山林に設置するなどで、熊の出没状況を可視化することが可能になります。地域の特性やニーズにあった形での実装が可能です。
まずは、熊の正確な出没状況を把握することが、熊被害を軽減する第一歩と考えられます。
・人と熊の共生のためのツール
「熊検知AI」は、人と熊の共生のためのツールです。
お互いがそれぞれの生態系を保ち地球上で生活していくために、人ができることの一つであると考えられます。
・野生動物の生態調査や保護にも活用できる画像認識技術
「熊検知AI」では画像認識技術を活用しています。
これは、熊だけでなく、シカ、イノシシ、サルなどの野生動物も検知することができる技術です。野生動物の生態調査や野生動物保護にも活用できる技術です。
熊検知AIを組み込んだ手のひらサイズのコンピューターは、熊を検知しアラームを発生させられます。
熊の出没状況を把握することで、近年増加傾向にある熊による人的被害や畜産物被害を軽減することや野生動物保護も期待されます。
詳細
・分野:安心・安全
・分類:エッジAI
・名称:熊検知AI(仮)
・企業:有限会社竹入自動車
・キーワード:熊検知AI・獣害・野生動物